本当にお久しぶりです!だいぶ前に書いたブログに投稿していただいた方がいらっしゃって、それに対する個人的な考えを申し上げます。小児科学会がワクチンを推奨したと言うことですが、やはり高齢者と違って絶対適応という事ではないと私は考えます。ただし、接種しない方が良いとは一言も言っておりません。なお小児、若年成人は重症化リスクは少なく、また当院では1000例以上の陽性者をみておりますが(多分1500~2000例は診断していますし、その際に重症度も判断し、投薬治療もしております。基礎疾患の重い方、高齢者にはラゲブリオなどの抗ウイルス薬も、積極的に投薬しています。)、全年齢を通して、いわゆる後遺症の方は10%はいないです(かかりつけ患者さんの陽性者はその後の様子を確認できますので、その範囲で)。
 皆さんも気にされる小児の副反応は若年成人に比べ多いのか、と言う事については、当院では12歳未満の接種をしておりませんので、発表されている事でしか判断できません。5歳未満では若年成人に比べ発熱等の副反応は軽微であると言う事なので、その点においては余り心配ないと考えます。また10代の子供さんは、受験や社会活動に影響するので接種することが多い印象がありますが、発熱者は20歳代の若い成人と余り変わらないのでは無いでしょうか?。仮に38度の熱が3日間続いたとしたら、大部分の人にとってはコロナ感染と同じような程度の症状ではないかと思います。「かかったのとワクチンで熱出るのと、どっちがマシですか?私はもう絶対打ちません!」と言う接種者の方にもしばしばお会いします。そうした方にはそれ以上のワクチン接種はお薦めしていません(ただし高齢者には、熱が出た方が効き目がいいって言ってますよ!かかるよりマシですよ!とお薦めしていますが)。なお小児科学会の推奨する文章を先ほど読みましたが、重症化する例が散見されると言う記載があります。しかし感染者数の膨大さに比して実数はやはり少ないです。これをどう判断し、リスクヘッジの必要性については各自で考慮なさってください。
 なお、私の家族に関しては、一番下がの子供が高校生で、後は大学生と社会人ですが、全員ワクチンを接種してます。理由はうちに持ち込まれて僕が感染したら困るので、と言うのが第一。かかって学校を長く休むのは損だと言うことが第二。上の三人は接種義務がある職業だからと言うのもあります。なお重症化の危険があるから接種すると言うことは、全く考えていませんでした。 
ちなみに、過去の小児科学会(小児科学会だけではありませんが)、には非常な間違いもあり、全面的に信用に足るのかについて、批判的に注意深く判断することが必要です。
例えば1;15年くらいまで、複数のワクチンの同時接種について、日本の小児科専門医の方々は否定的でした。推奨しないとワクチン接種のマニュアルでも言ってました。私は他の先進国のワクチン接種事情を知っておりましたので、そんな「ガラパゴス的な」ことな意味が無いため、希望者には一度に複数のワクチン接種を行なっておりました。すると周りの「ベテラン」の小児科医には陰であれこれ言われていたようで、「〇〇先生が、同時に打つと免疫が十分につかないとか話してましたよ。」など教えてくれた患者さんもいました(ほんとですか?証拠を見せて下さいよ!)。今はどうでしょうか。いくらでもいっぺんに打ちますよね!ほんと、バカみたいです。
2;2003年までの日本小児科学会の喘息治療ガイドラインは、吸入ステロイドを投与するのは重症例のみとし、ほぼ内服薬のみの治療でした。すでに1993年にWHOやGINA(国際的な喘息治療ガイドライン)では吸入ステロイドが第一選択薬だったのにも関わらず!ですから、そこらの病院(小児科等)にかかっても、さっぱり喘息は良くなりませんでした!偉そうなことを言いますと、病気に日本も外国もありませんから、当院では積極的にステロイド吸入を投薬していました。僕は小児専門医では無いので、逆に当時の小児科の毒に染まっていなかったと言えます。
ですからその当時、アレルギー学会の総会で、あえてそれについて小児の喘息治療の偉い方々に質問してみましたが、当時の京大の小児科の教授が僕の複数の質問や意見(何の理由があって日本では喘息にステロイド吸入を使わないのかと言う質問と、世界でこんなこと言ってるのは日本だけだと言ってやりました!僕は大学教授に飯食わせてもらってないので、痛くも痒くもありませんから)に対し、壇上で逆ギレしてまともな答弁になっていませんでした。ほんとこのクソジジは馬鹿じゃ無いかとほんとに腹が立ちました!!こんなバカが教授やってるんだから小児科終わってるんだ!と思いました。やがてガイドラインも改版となり、2004年からはやっとステロイド吸入薬を広く治療に用いると言う記載に変更されました。時代遅れの年寄りが定年退職して、やっとまともな治療ガイドラインになったのでしょう。それまでの日本の子供たちは、本当に気の毒なことでした。
僕の周りの身近な例をみても、学会や大学で偉くてもお粗末な輩はたくさんいる事がわかります。学会で推奨することの全てが必ずしも正しいとは言えません。
話が脱線しましたが、接種するなと言ってはおりません。ただし絶対適応なのでしょうか?と言う疑問が消えないと申し上げます。麻疹、日本脳炎、破傷風、ジフテリアなどは死亡率が高く、また治療が困難ですので絶対適応です。乳児の百日咳も危険なので接種すべきです。ムンプス、水痘は命に別状は無いでしょうが、時に後遺症があります。ポリオは身体障害が残るのでやはり接種すべきです。また子宮頸がんワクチンも、がんを予防すると言う稀有なワクチンですから、絶対適応です。
どちらかというと、新型コロナワクチンというのは、現行のインフルエンザのワクチン接種に考え方が近いのでは無いでしょうか?死亡率は低いものの、感染者数が莫大なため、実数としての重症者、死亡者が無視できない数だけ存在する。だから接種を推奨する、と言う事だと考えます。それはそれで正しい判断だと思いますので、後は皆さんのご家庭で、よくお話し合いをなさって下さい。